2017年5月25日木曜日

プレプリントサーバの今後

バイオ系のプレプリントサーバであるbioRxivに論文掲載前の原稿を公開する動きが少しづつ広がっています。

私が学生だった頃に、理論物理を専攻していたサークルの先輩(その方は当時も優秀でしたが、今は非常に有名な先生になられました)から「物理では論文はサーバに投稿するので、雑誌というものがなくなった」と聞かされて、そんなものかと思っていたのですが、バイオ系論文は、ようやくその流れに倣ってきたともいえます。

背景には、バイオ系の研究が複雑になり、論文も投稿してから受理されるまで、かなり長い時間がかかるようになったことが研究分野の健全な進歩を妨げているという見方があります。また研究者の業績も、以前にも増してますます短い時間的スパンで評価されるようになってきています。

学会発表もそうですが、プライオリティの確保とスクープされるリスクはバランスですね。今のところ、プレプリントサーバで公開されている論文は限定的で、すぐに既存のジャーナルを置き換えるまでには至らないように思えますが、これは今後の流れ次第だろうと思います。スクープされるリスクを考えると、生物学的な発見の論文よりは、すぐに追いつきにくい新規技術の開発の論文のほうがこうした公開方法に合っている気がします。ちなみにバイオエンジニアリング系の研究は生物学でなく応用物理学として行われていることもありますので、論文はbioRxivではなく、本家の物理学のプレプリントサーバであるarXivに公開されていることもあります。私も重要な論文を一つそちらで見つけました、とはいっても既に最近ある雑誌でpublishされたものですけどね。

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